香川県さぬき市の古墳文化にスポットをあてた「さぬき市古墳まつり」(同まつり実行委主催)が同市津田町の旧鶴羽小を主会場に開かれた。多くの考古学ファンらが参加し、国指定史跡の津田古墳群や富田茶臼山古墳について学んだほか、バスでの古墳群巡りを楽しむなど、古代の歴史ロマンに思いをはせた。
祭りは、これまで同市鶴羽地区にある四国最古級の「うのべ山古墳」をテーマに開催してきた。同古墳を含む津田地域の9古墳群が平成25年に国史跡に指定されたことを記念し、今年から規模を拡大した。
会場の旧鶴羽小の校舎では、古墳から発掘された土器や石材などの文化財が展示されたほか、勾玉づくりや土器のペーパークラフトのワークショップ体験などが行われ、来場者は楽しみながら古墳の文化と歴史を学んだ。
祭りでは、さぬき市の古墳群を巡るバスツアーも実施。参加した約40人が考古学者で広島大の古瀬清秀名誉教授から各古墳の特徴などについての説明を受けながら約2時間の“古代の旅”を満喫した。参加した高松市の小笠原正一さん(45)は「考古学者の説明を受けながら古墳群を巡るのはとても貴重な体験」と喜んでいた。
さぬき市の古墳群調査に携わる大川広域行政組合埋蔵文化財係によると、市内には大小約300の古墳があり、大和朝廷の頃は四国の窓口はさぬき市だったことが古墳からうかがえるという。