集まれ、未来の内装職人=香川の業者が共同で「育成塾」―全国初、訓練や宿泊費無料

香川県の内装業者が共同で立ち上げた「職人育成塾」の参加者募集パンフレット(職人育成塾提供)
「求む! 未来の内装職人」―。

建設現場での深刻な人手不足を解消しようと、香川県内の内装業者10社が共同で「職人育成塾」を立ち上げた。10月から育成訓練を始める。厚生労働省が支援するプロジェクトで、食費以外は交通費や宿泊、訓練、資格取得などの費用が全て無料。民間主導で、多様な種類の内装職人育成を目指す全国初の試みに、注目が集まりそうだ。

10月3日から2カ月間にわたって行う訓練のスタートに向け、18~45歳の男女を対象に、今月20日まで参加者(20人めど)を全国から募集している。育成塾の岡村真史代表理事は「職人の高齢化が進み、技能の継承が困難になりつつある」と指摘。「ものづくりの楽しさを実感し、チャレンジしてくれる人が一人でも多く育ってほしい」と期待を込める。

香川県の有効求人倍率は7月で1.67倍と全国平均(1.37倍)より高く、特に「建設・採掘業」は5.57倍と極端な人手不足に陥っている。県内の内装業者が手を携えて一般社団法人の育成塾設立に踏み切ったのは、「このままでは建設工事がストップする」(関係者)という強い危機感からだ。

育成訓練では、それぞれの参加者がタイル工事や左官、クロス・床貼りといった職種から、適性に応じて専門分野を選択。ベテラン職人の指導を受ける。期間中に高所作業車やフォークリフトの運転など5種類の資格が取得できる。

訓練場所は、同県有数の温泉郷「塩江」にある旧小学校の施設を使う。遠隔地からの参加者には、個室の宿泊施設を用意する。すでに東京や広島などから応募があり、女性の参加も決まっているという。